9月14日18時から,弊社の代々木上原の事務所にて現役臨床心理士の先生をお招きして認知行動療法(CBT)に関する講座を開催させていただきました。
今回先生のお名前を公開できないのは残念ですが、先生は依存症の治療に認知行動療法を用いて実際に結果を出されており、臨床現場に即した非常に興味深いお話を伺うことが出来ました。
主な内容としては,まずCBTの基本となる考え方からレクチャーしていただきました。
CBTを臨床で実践する際に必要となる考え方に「三項随伴性」というものがあります。
具体的には下記のような成り立ちとなっています。
(1) きっかけ → 行動 → 結果 (オペラント)に基づく見立てを行うこと
(2) 結果が持続するには,結果と行動の間に「強化」の仕組みが存在すること
(3) オペラント行動の強化においては
①ごほうび(報酬)があること
②好ましくない結果から回避する効果があること
の2つが存在する
もうひとつの認知行動療法の重要な考え方として、「型と機能」,つまり患者さんにとって
そのアプローチが「機能するかどうか」に着目することが挙げられます。
セラピストが一方的に「このような認知が正しいから変えていくように」と,
認知の歪みを変えること自体が目的ではない。
考え方を変えることよりも、行動を変えることに重点を置く。
つまり、結果を出せるかどうか。
これは,臨床現場だけでなく,日常生活の中のさまざまな場面においても有効な考え方かも
しれません。
また問題行動を起こしてしまう”きっかけ”が生じた(例:アルコール依存症の方が、おいしそうにビールを飲むテレビCMを見てしまった)時に、オートパイロット(自動思考)で、そこから一気に問題行動(つい飲酒してしまう)まで行ってしまわないように、一旦落ち着かせるための手続きとしてマインドフルが効果が高いこと。また、そのための具体的な手法として、その場でボディスキャンを体験しました。
ボディスキャンとは、自分の身体感覚を研ぎ澄まし,いま,ここで自分が在ること自体に
集中して取り組むこと。それによってマインドフルネスな状態になることができると
いうものです。
ゆっくりと目を閉じ,呼吸を整え,身体の各部位から自分自身の存在を確かめていく。
いわゆる瞑想とも似たような効果があり,それまで抱えていたもやもやした気分が
すっきりとして,終わった時には雨上がりの空のような,さわやかな心持ちになって
いることを実感することができました。
このような講座は不定期ながら、少人数での気軽な勉強会として随時開催しておりますので、お気軽にご参加ください。なおご興味のある方は告知ページをご確認頂くか、メールマガジンをご登録いただければ予定を自動配信させていただきます。
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